古酒の隠れ家

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女王陛下と皇太子殿下

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21.皇太子の手紙

『私がウィシテリア女王国から帰国して、もう半年が経とうとしている。貴女はさぞ、女王として忙しい毎日をお過ごしのことと思う。
 貴方のことだから、丈夫だからと過信して、あまり休養を取っていないのではと心配している。

 私も帰国してからは、毎日それなりに忙しい日を過ごしている。

 以前の手紙では知らせていなかったが、アルシェードが闘技場での事件の責任をとって、半年の蟄居謹慎を命じられていた。私はこれをいい機会ととらえて彼に剣を習いに行っていたのだ。
 彼も最初こそ遠慮をして……というか、今になってみれば内心面倒くさがっていたからだと推測できるのだが、あまり乗り気ではなかったようだ。だが、徐々に真面目に指導をしてくれたおかげで、以前よりははるかに健康的になっていると自覚できる。だが、剣の腕の方は途中でアルシェードが任務に復帰したために、あまり上達していないと思う。

 ところで私はこれから、再び貴女の国を訪問できないかと、父に働きかけるつもりだ。外交筋から打診があった際は、ぜひこれをご承諾いただきたい。

 そちらにご訪問の際は、剣を持っては無理でも、ぜひフォルム公爵にもご指南いただきたい。
 もちろん、詳細が決まればまず手紙にしたためようと思う。

 それでは、季節もいいからといって油断なさらぬように。 
 貴女の国民のためにも、ご自愛のほど心よりお願い申し上げる。

   フラマディン・アインアード シテ=オーザグルド』

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